裁量労働制の適用範囲拡大

働き方改革関連法案から裁量労働制の適用範囲拡大の部分が削除されそうです。

国会での論議やマスコミの報道を見ていると、制度そのものの問題と、制度の導入や運用が適法に行われるか否かの問題が峻別されずに扱われている印象を受けます。

現行の裁量労働制も、法案の適用範囲拡大も、それ自体は正義に反する内容ではないのに、「裁量労働制=悪」のような印象を受けてしまう人も多いのではないでしょうか。

現行の裁量労働制が違法に導入され、労働基準監督署の是正勧告を受けた例がいくつも明らかになっていますが、これも裁量労働制そのものが悪いのではなく、違法に「適用」していた企業が悪いのです。

裁量労働制について優先的に議論すべきことは、違法な形での導入や運用を抑止するための方法の構築についてです。

つい先日まで、大相撲の理事選の仕組みや票読みなんていうどうでも良いことを連日あれほど丁寧に取り上げていたワイドショーあたりに、ぜひ裁量労働制についても丁寧に伝えてもらいたいものです。